脂腺増殖症(しせんぞうしょくしょう、英: Sebaceous Hyperplasia)は、皮膚の脂腺が増殖し、皮膚に小さな黄色または白色の隆起ができる良性の皮膚疾患です。これらの隆起は主に顔に発生し、中年以降の人々に多く見られます。
脂腺増殖症の特徴
見た目:
- 小さな黄色または白色の隆起で、直径1〜5ミリメートル程度の大きさです。
- 隆起の中心に小さなへこみ(中心性へこみ)が見られることがあります。
触感:
- 触ると柔らかく、時には少し硬いこともあります。
位置:
- 主に顔、特に額、鼻、頬に多く見られますが、体の他の部分にも発生することがあります。
痛みや症状:
- 通常は無痛で、かゆみや痛みを伴わないことがほとんどです。
脂腺増殖症の原因
加齢:
- 中年以降の人々に多く見られます。加齢に伴う皮脂腺の変化が原因と考えられています。
ホルモンの影響:
- ホルモンのバランスの変化が脂腺増殖症の発生に関与している可能性があります。
遺伝的要因:
- 家族歴がある場合、脂腺増殖症が発生しやすいことがあります。
皮脂の過剰分泌:
- 過剰な皮脂の分泌が脂腺の増殖を促進することがあります。
診断
視診と触診:
- 皮膚科医が視診と触診で診断します。特徴的な見た目から診断が比較的容易です。
生検:
- 疑わしい場合や他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合、組織の一部を取り、顕微鏡で調べる生検が行われることがあります。
治療
脂腺増殖症は通常、良性で治療の必要はありませんが、見た目が気になる場合や複数発生している場合には治療を行うことがあります。
電気焼灼(でんきしょうしゃく):
- 高周波電流を用いて脂腺増殖を焼き切る方法です。
レーザー治療:
- 炭酸ガスレーザーやパルスダイレーザーなどを用いて、脂腺増殖を除去します。
冷凍療法:
- 液体窒素を用いて脂腺増殖を凍結させ、除去する方法です。
トピカル治療:
- レチノイドクリームやその他の外用薬が効果的な場合があります。
手術的切除:
- 大きな脂腺増殖や他の方法で効果が見られない場合には、手術で切除することがあります。
脂腺増殖症は一般的には無害で、深刻な健康問題を引き起こすことは少ないですが、見た目や不快感が気になる場合は、受診を勧めます。
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