脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう、英: Seborrheic Keratosis)は、加齢に伴って発生する良性の皮膚腫瘍です。外観は多様で、一般的には茶色や黒色の色素沈着を伴う、平坦または盛り上がった角化性の皮疹として現れます。これらは「年齢斑」や「老人性疣贅(ゆうぜい)」とも呼ばれます。

脂漏性角化症の特徴

  1. 見た目:

    • 茶色、黒色、黄色、または肌色の斑点や隆起。
    • 表面はザラザラしていることが多く、時には「ロウを塗った」ような外観を持つ。
    • サイズは数ミリから数センチメートルまで様々。
    • 単発でも多発でも現れ、顔、胸、背中、肩など、どの部位にも発生します。
  2. 成長と変化:

    • 徐々に成長し、時間と共に色や形が変わることがあります。
    • 通常は痛みやかゆみを伴わないが、摩擦や刺激によって不快感を感じることがあります。

脂漏性角化症の原因

  1. 加齢:

    • 最も一般的な原因。通常、40歳以上の成人に見られますが、若年層にも発生することがあります。
  2. 遺伝的要因:

    • 家族歴がある場合、脂漏性角化症が発生しやすいことがあります。
  3. 紫外線の影響:

    • 日光に多く晒される部位に多く見られることから、紫外線が一因と考えられています。

診断

  1. 視診:

    • 皮膚科医が視診で診断することが一般的です。脂漏性角化症はその特徴的な外観から診断が比較的容易です。
  2. 生検:

    • 稀に、悪性黒色腫など他の皮膚腫瘍との鑑別が必要な場合、組織の一部を取り、顕微鏡で調べる生検が行われることがあります。

治療

脂漏性角化症は通常、良性で治療の必要はありませんが、見た目が気になる場合や摩擦による不快感がある場合には治療を行うことがあります。

  1. 冷凍療法(クリオセラピー):

    • 液体窒素を用いて病変を凍結させ、除去する方法です。
  2. 電気焼灼(でんきしょうしゃく):

    • 高周波電流を用いて病変を焼き切る方法です。
  3. レーザー治療:

    • 炭酸ガスレーザーやエルビウムレーザーなどを用いて、脂漏性角化症を除去します。
  4. 刃物切除:

    • 局所麻酔下で病変を外科的に切除する方法です。
  5. トピカル治療:

    • 一部の外用薬が症状緩和に役立つ場合がありますが、主に他の治療法が推奨されます。

日常生活での注意点

  1. 紫外線対策:

    • 日焼け止めを使用し、長時間の日光曝露を避けることが重要です。
  2. 皮膚の観察:

    • 新しい病変が出現したり、既存の病変が急速に変化する場合は、皮膚科医に相談することが重要です。
  3. 摩擦や刺激を避ける:

    • 衣服やアクセサリーによる摩擦を避け、皮膚を保護することが大切です。

 

脂漏性角化症は一般的には無害で深刻な健康問題を引き起こすことは少ないですが、見た目や不快感が気になる場合は、受診をお勧めします。

 

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