ビタミンAの内服中、特にレチノイド系のビタミンA(例:アキュテインやロアキュテイン、イソトレチノインなど)を服用している方が医療脱毛を避けるべき理由は、ビタミンAの薬剤が皮膚に対して強い影響を及ぼし、医療脱毛のリスクを高めるからです。以下、具体的な理由を詳しく説明します。
1. 皮膚の感受性の増加
ビタミンA誘導体(レチノイド系薬剤)は、皮膚のターンオーバーを促進し、皮膚の角質層を薄くする作用があります。この作用により、皮膚はより敏感で脆弱な状態になり、レーザー脱毛の熱や光に対して過剰に反応する可能性が高まります。通常、皮膚の角質層は外的な刺激から肌を守るバリアの役割を果たしていますが、レチノイドを服用しているとこのバリアが弱まり、レーザーの影響を強く受けることになります。
結果として起こるリスク:
- 熱傷(やけど): 皮膚が薄くなることで、レーザーの熱が通常よりも深く浸透し、やけどや炎症が起こるリスクが高まります。
- 色素沈着や色素脱失: レーザーによって引き起こされる皮膚ダメージが原因で、肌に色素沈着(シミ)や逆に色素脱失(白斑)が発生しやすくなります。
- 過敏反応: レーザーのエネルギーに対して皮膚が過敏になり、通常より強い炎症や痛みを伴うことがあります。
2. 治癒の遅延
ビタミンA内服薬は、皮膚の乾燥を引き起こし、傷やダメージを受けた皮膚の治癒速度を遅らせる可能性があります。レーザー脱毛後には皮膚に軽い炎症や微小なダメージが生じますが、ビタミンAを服用していると、そのダメージが通常よりも治りにくく、結果として長期的な炎症やかさぶたの形成、さらには感染症のリスクが高まります。
結果として起こるリスク:
- 回復の遅延: 通常なら数日で治癒するはずの軽度の炎症が、ビタミンAの影響で長引くことがあります。
- 傷跡の形成: 治癒が遅れることで、通常よりも目立つ傷跡が残るリスクが増加します。
3. 皮膚の乾燥と刺激
ビタミンA内服薬は、皮脂腺の活動を抑制するため、肌が極端に乾燥します。この乾燥した状態の皮膚は、レーザーの熱や光に対して非常に敏感になり、炎症ややけどのリスクが高まります。また、乾燥した肌はバリア機能が低下しやすく、レーザー脱毛後の回復過程でも肌がうまく再生されないことがあります。
結果として起こるリスク:
- 乾燥による炎症: 脱毛後の肌にさらに乾燥が進行し、炎症やひび割れが起こる可能性があります。
- 皮膚の脆弱化: 乾燥によってバリア機能が低下した肌は、外的刺激に対して非常に敏感になり、レーザーの影響を受けやすくなります。
4. レーザーに対する過敏症状の増加
ビタミンA誘導体は、皮膚を薄くし乾燥させるだけでなく、レーザーに対して過敏な反応を引き起こすことがあります。このため、通常よりも強い痛みやかゆみを感じやすくなり、脱毛時の不快感が増大するだけでなく、脱毛後に強い赤みや炎症が生じやすくなります。
結果として起こるリスク:
- 強い炎症や赤み: 通常のレーザー脱毛後に起こる軽度の赤みが、ビタミンA内服中の皮膚ではさらに強く現れることがあります。
- かゆみや痛み: 脱毛後の過敏反応によって、かゆみや痛みが長期間持続することがあります。
5. 長期間の影響
ビタミンAの内服薬、特にイソトレチノインのような薬は、服用を中止してからもしばらくの間、皮膚に影響を与え続けます。そのため、ビタミンAの内服をやめてすぐに脱毛ができるわけではなく、通常は6か月程度の休薬期間が必要とされます。これは、皮膚が完全に正常な状態に戻り、脱毛によるリスクが低くなるまで時間がかかるためです。
休薬期間の重要性:
- 6か月間の待機: 皮膚が回復し、通常の状態に戻るまでには一定の期間が必要です。脱毛を行うクリニックでは、ビタミンA内服中の患者に対しては、必ず服用終了後6か月を目安に医療脱毛を再開するよう指示しています。
医療脱毛、シミ取り治療をご検討の方は、豊中市の千里中央に「とううちクリニック」へ是非お越しください