シミと肝斑はどちらも皮膚の色素沈着によって生じますが、それぞれの原因や特徴、治療法が異なるため、正確に見分けることが重要です。以下に、シミと肝斑の違いと見分け方を詳しく説明します。


1. シミ(老人性色素斑など)の特徴

原因:

  • 紫外線: シミは主に紫外線によって引き起こされます。長年にわたり日光を浴び続けることで、皮膚のメラニンが過剰に生成され、それが沈着してシミとなります。
  • 加齢: 年齢とともに皮膚の再生能力が低下し、メラニンが肌に蓄積しやすくなるため、シミができやすくなります。
  • 炎症: ニキビや傷の後に炎症が起こると、その部分にシミが残ることもあります(炎症後色素沈着)。

見た目の特徴:

  • 形状: シミは輪郭がはっきりしていることが多いです。大きさや形は個々によって異なりますが、比較的丸みを帯びた形状をしています。
  • : 茶色や黒っぽい色合いで、色の濃さは個人差がありますが、基本的には一定の色調を保ちます。
  • 発生部位: 顔、手、腕など、日光に多くさらされる部位に出現することが多いです。
  • その他の特徴: シミは時間の経過とともに徐々に濃くなる傾向があります。また、加齢に伴い数が増えることがあります。

治療方法:

  • レーザー治療: レーザーでメラニンを破壊することが有効です。
  • 美白成分の使用: ハイドロキノンやビタミンC誘導体などの美白成分を含むスキンケア商品を使用することが効果的です。

2. 肝斑(かんぱん)の特徴

原因:

  • ホルモンバランスの乱れ: 肝斑はホルモンの影響を強く受けます。特に妊娠や経口避妊薬の使用、更年期などでホルモンバランスが変化することで発生します。
  • 紫外線: 紫外線も肝斑を悪化させる要因です。
  • 摩擦や刺激: 洗顔時の過剰な摩擦や、メイクのこすりすぎなどの物理的な刺激が肝斑を悪化させることがあります。

見た目の特徴:

  • 形状: 肝斑は境界がはっきりしない、ぼんやりとした形で現れます。両頬に左右対称に出ることが特徴的です。
  • : シミに比べて淡い茶色や灰色っぽい色合いで、広範囲にわたって広がることが多いです。
  • 発生部位: 特に頬骨の上や額、鼻の下、口周りなどに左右対称に出現します。これがシミとの大きな違いの一つです。
  • その他の特徴: ホルモンバランスの変化に伴い、肝斑の濃さが変動することがあります。特に妊娠中や経口避妊薬の使用中に発生することが多いです。

治療方法:

  • トラネキサム酸: 内服薬としてのトラネキサム酸は肝斑に効果があるとされています。これにより、メラニンの生成を抑制し、肝斑の改善が期待できます。
  • 美白成分の使用: シミ同様に、肝斑にも美白成分を含むスキンケアが有効ですが、刺激の少ない製品を選ぶことが重要です。
  • レーザー治療の注意点: 肝斑は、レーザー治療を行うと悪化することがあるため、シミ治療で使われるような強力なレーザーは避けるべきです。肝斑専用の低出力レーザー治療(レーザートーニングなど)が推奨されます。

3. シミと肝斑の見分け方のまとめ

1. 色と形の違い

  • シミ: 色が濃く、輪郭がはっきりしていることが多いです。小さな斑点状のものから、大きなものまで様々。
  • 肝斑: 色は比較的淡く、境界がぼんやりしており、広範囲にわたって現れることが多いです。

2. 発生部位の違い

  • シミ: 日光に多くさらされる部位(頬、額、手の甲など)に現れ、左右対称でないことが多いです。
  • 肝斑: 両頬に左右対称に現れることが特徴です。頬骨の上や額、鼻の下などにも広がる場合があります。

3. 原因の違い

  • シミ: 主に紫外線によるもの。加齢や炎症も原因となります。
  • 肝斑: ホルモンバランスの乱れが主な原因で、特に女性に多いです。摩擦や紫外線も悪化要因となります。

4. レーザー治療の適応

  • シミ: レーザー治療が効果的です。
  • 肝斑: レーザー治療には注意が必要で、誤った治療をすると悪化する可能性があります。低出力のレーザーやトラネキサム酸による治療が適しています。

シミと肝斑の正しい診断と治療

シミと肝斑は外見が似ている場合がありますが、治療法が異なるため、専門医の診断を受けることが非常に重要です。誤った自己判断で治療を進めると、症状を悪化させる可能性があるため、まずはプロフェッショナルな診察を受け、最適な治療法を選ぶことが大切です。

 

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