ニキビダニデモデックス)は、顔や頭皮などの皮膚に常在する微小な寄生ダニの一種で、正式には Demodex folliculorumDemodex brevis と呼ばれます。これらのダニは人間の皮脂腺や毛包(毛穴)に住んでおり、多くの人に見られますが、通常は無害で無症状です。ただし、特定の条件下で増殖すると皮膚トラブルを引き起こすことがあります。

ニキビダニの特徴

  • 大きさ: 非常に小さく、約0.3~0.4mmで、肉眼では見えません。
  • 生息場所: 主に顔の皮膚や頭皮の毛包や皮脂腺に存在します。額、鼻、顎、そしてまつ毛の毛包によく見られます。
  • 食性: ニキビダニは、皮脂や皮膚細胞を主な栄養源として生きています。

ニキビダニが引き起こす症状

通常、ニキビダニは人間に害を与えませんが、数が過剰に増えると皮膚のバランスが崩れ、以下のような症状が現れることがあります。

  1. 赤みや炎症: ニキビや吹き出物ができやすくなる原因となり、炎症を引き起こすことがあります。
  2. 毛包炎: 毛包内でダニが増殖することで、毛包に炎症が生じ、赤みや膿が伴うニキビのような症状が発生します。
  3. ロザケア(酒さ): 一部の研究では、顔面の赤みや血管拡張、膿疱を伴うロザケア(酒さ)とニキビダニの増加が関連していることが示唆されています。
  4. まつ毛炎: まつ毛の根元に炎症やかゆみが出ることがあり、特にまつ毛ダニと呼ばれる Demodex folliculorum が増殖すると、まつ毛の脱毛や炎症が見られることがあります。

ニキビダニの増殖を引き起こす要因

ニキビダニの増殖は、以下の要因で促進されることがあります。

  • 過剰な皮脂分泌: 皮脂が多いとニキビダニが繁殖しやすくなります。特に脂性肌の人は注意が必要です。
  • 免疫力の低下: 免疫機能が低下していると、ダニの増殖を抑える力が弱まり、症状が悪化する可能性があります。
  • 加齢: 年齢とともに皮脂腺が変化し、ニキビダニが増殖することがあるため、中年以降にロザケアのような症状が見られることがあります。

ニキビダニの治療と対策

  1. スキンケア: 皮膚を清潔に保ち、余分な皮脂を取り除くことで、ニキビダニの増殖を抑えることができます。特に脂性肌の場合、適切な洗顔が重要です。
  2. 薬物治療: 医師による診断のもと、ニキビダニが原因であると判断された場合、抗ダニ作用を持つクリームや薬が処方されることがあります。イベルメクチンメトロニダゾールといった薬剤が効果的です。
  3. 生活習慣の改善: バランスの良い食事や十分な睡眠、ストレス管理が、皮膚の健康維持に役立ちます。

予防方法

  • 適度なスキンケア: 肌を過剰にこすらず、やさしく洗顔し、清潔を保つことが重要です。強いクレンザーやピーリングの頻繁な使用は、皮膚を刺激しすぎるため避けましょう。
  • 皮脂分泌のコントロール: 脂性肌の人は、油分を抑えたスキンケア製品を選び、過剰な皮脂分泌を抑える工夫が必要です。

まとめ

ニキビダニは通常無害ですが、過剰に増殖すると肌トラブルを引き起こす可能性があります。適切なスキンケアや生活習慣の改善によって、ダニの増殖を抑えることができ、皮膚トラブルの予防が可能です。

 

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