スピッツ母斑(Spitz nevus)は、一般的に若年者に多く発生する良性の色素性病変ですが、その見た目が一部の悪性黒色腫(メラノーマ)に類似するため、診断には慎重な判断が必要です。
特徴
外見と形状
- 色はピンク、赤、茶色、または黒で、多様な色調を示すことがあります。
- 表面がドーム状に盛り上がることが多く、直径6mm以下の小型のものが典型的です。
- 表面は滑らかで、圧痛などの自覚症状がないのが一般的です。
発生年齢
- 子供や若年者に多いですが、成人にも発生します。
部位
- 顔面、四肢に好発しますが、体のどこにでもできる可能性があります。
原因と病態
スピッツ母斑の原因は明確に解明されていませんが、メラノサイトの増殖が関与しています。また、発生に遺伝的要因や軽度の外的刺激が影響する可能性も示唆されています。
診断と鑑別
- メラノーマとの鑑別が特に重要で、見た目が似ているためダーモスコピー(拡大鏡)を用いた検査が行われます。
- 病理組織学的検査が必要になることもあります。良性であっても、急速に増大する場合があるため、悪性の可能性を考慮した診断が行われます。
治療と管理
経過観察
- 良性と判断されれば、特に治療の必要はなく、定期的な経過観察が推奨されます。
外科的切除
- 見た目や部位により、美容的理由で切除されることがあります。
- 悪性の可能性が疑われる場合には、切除後の病理検査が行われます。
悪性化のリスク
スピッツ母斑自体は良性ですが、成人のスピッツ母斑はより慎重に診断されるべきで、稀に悪性に変化する可能性があるとされています。
まとめ
スピッツ母斑は一般的に心配のない母斑ですが、急激な変化や増大が見られた場合は、皮膚科を受診して悪性病変を除外することが重要です。また、ダーモスコピーによる定期的な観察が推奨されるケースもあります。
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