瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)とは

瘢痕拘縮は、外傷・手術・やけどの後に形成される瘢痕が収縮し、皮膚や筋肉の動きが制限される状態です。特に、関節部位や顔、首など可動域が必要な部位で問題になることが多く、日常生活や運動機能に支障をきたす場合があります。


原因と発生メカニズム

  1. やけど
    深い熱傷による皮膚損傷では、真皮層まで傷つくため、再生された皮膚が硬く収縮しやすくなります。

  2. 外科手術や外傷後の瘢痕形成
    傷口が治る過程でコラーゲンが過剰に生成されると、収縮が起こり、皮膚が引きつる状態になります。

  3. 瘢痕部位の慢性的な炎症
    長期間の炎症が続くと、異常なコラーゲン沈着が進み、拘縮が発生します。


部位ごとの症状

  • 関節部(膝・肘・手首)
    動作制限が起こり、可動域が狭くなります。リハビリが必要になることが多いです。

  • 顔や首
    表情の制限や、頸部拘縮により頭の可動が制限され、姿勢にも影響を及ぼします。

  • 胸部
    呼吸がしにくくなることもあり、特に大きなやけど跡の場合に問題になります。


治療方法

  1. 外科的治療

    • Z形成術皮弁移植を行い、皮膚の緊張を緩和します。
    • 植皮術も拘縮の改善に使用されます。
  2. リハビリテーション
    関節の可動域を広げるため、物理療法やストレッチが行われます。

  3. 圧迫療法
    圧迫ガーメントを使用することで、傷の収縮を抑制します。

  4. シリコンジェルやシート
    瘢痕の収縮を防ぎ、柔軟性を持たせます。

  5. ステロイド注射
    炎症を抑えることで拘縮の進行を防ぎます。

  6. レーザー治療
    フラクショナルレーザーなどを用いて、皮膚の質を改善します。


予防策

  • 傷の早期治療と適切なケア
    傷ができた直後から炎症を抑え、皮膚の再生を促すことが大切です。

  • 皮膚の保湿と保護
    保湿ケアを行い、乾燥による皮膚の硬化を防ぎます。

  • 摩擦や圧力を避ける
    傷口に過剰な負荷がかからないよう、適切な姿勢を心がけます。


まとめ

瘢痕拘縮は、特にやけどや手術後に発生しやすく、可動域の制限や美容的問題を引き起こします。早期の治療と予防が非常に重要で、医師による適切なケアとリハビリが推奨されます。深刻な場合には外科手術が必要になることもありますので、専門医の診断を受けることが大切です。

 

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