瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)とは
瘢痕拘縮は、外傷・手術・やけどの後に形成される瘢痕が収縮し、皮膚や筋肉の動きが制限される状態です。特に、関節部位や顔、首など可動域が必要な部位で問題になることが多く、日常生活や運動機能に支障をきたす場合があります。
原因と発生メカニズム
やけど
深い熱傷による皮膚損傷では、真皮層まで傷つくため、再生された皮膚が硬く収縮しやすくなります。外科手術や外傷後の瘢痕形成
傷口が治る過程でコラーゲンが過剰に生成されると、収縮が起こり、皮膚が引きつる状態になります。瘢痕部位の慢性的な炎症
長期間の炎症が続くと、異常なコラーゲン沈着が進み、拘縮が発生します。
部位ごとの症状
関節部(膝・肘・手首)
動作制限が起こり、可動域が狭くなります。リハビリが必要になることが多いです。顔や首
表情の制限や、頸部拘縮により頭の可動が制限され、姿勢にも影響を及ぼします。胸部
呼吸がしにくくなることもあり、特に大きなやけど跡の場合に問題になります。
治療方法
外科的治療
- Z形成術や皮弁移植を行い、皮膚の緊張を緩和します。
- 植皮術も拘縮の改善に使用されます。
リハビリテーション
関節の可動域を広げるため、物理療法やストレッチが行われます。圧迫療法
圧迫ガーメントを使用することで、傷の収縮を抑制します。シリコンジェルやシート
瘢痕の収縮を防ぎ、柔軟性を持たせます。ステロイド注射
炎症を抑えることで拘縮の進行を防ぎます。レーザー治療
フラクショナルレーザーなどを用いて、皮膚の質を改善します。
予防策
傷の早期治療と適切なケア
傷ができた直後から炎症を抑え、皮膚の再生を促すことが大切です。皮膚の保湿と保護
保湿ケアを行い、乾燥による皮膚の硬化を防ぎます。摩擦や圧力を避ける
傷口に過剰な負荷がかからないよう、適切な姿勢を心がけます。
まとめ
瘢痕拘縮は、特にやけどや手術後に発生しやすく、可動域の制限や美容的問題を引き起こします。早期の治療と予防が非常に重要で、医師による適切なケアとリハビリが推奨されます。深刻な場合には外科手術が必要になることもありますので、専門医の診断を受けることが大切です。
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