美容医療で使用されるレーザーの波長は、特定の皮膚構造や色素に対して効果的に働くよう設計されています。以下に、美容医療でよく使われるレーザーの波長とその特性について詳しく説明します。
1. 波長の基本
レーザーの波長は nm(ナノメートル) 単位で表され、光の色や皮膚内のターゲット(メラニン、ヘモグロビン、水分など)に応じて選ばれます。短い波長は浅い部分に働きかけ、長い波長は深い部分に到達します。
2. 主なレーザー波長と用途
① 532 nm(KTPレーザー)
- 吸収ターゲット: メラニン、ヘモグロビン
- 用途:
- 表在性のシミ(老人性色素斑など)
- 血管拡張(赤ら顔、毛細血管拡張症)
- 特徴:
- 短波長で浅い層に作用。
- 色素が濃い部位に向いているが、リスクとして炎症性色素沈着が起こる可能性があります。
② 694 nm(ルビーレーザー)
- 吸収ターゲット: メラニン
- 用途:
- シミ(雀卵斑、太田母斑など)
- タトゥー除去(黒色)
- 特徴:
- メラニンに対する選択性が高い。
- 色白の肌に適しているが、色素沈着のリスクがあります。
③ 755 nm(アレキサンドライトレーザー)
- 吸収ターゲット: メラニン
- 用途:
- 医療脱毛
- シミや色素沈着の治療
- 特徴:
- メラニンへの吸収が高く、効率的。
- 中間的な波長で、適度な深さに作用します。
④ 810 nm(ダイオードレーザー)
- 吸収ターゲット: メラニン、水分
- 用途:
- 医療脱毛(特に男性の髭や濃い毛)
- 特徴:
- メラニンへの吸収と皮膚への浸透力のバランスが良い。
- 幅広い肌質に対応可能。
⑤ 1064 nm(Nd:YAGレーザー)
- 吸収ターゲット: ヘモグロビン、水分
- 用途:
- 医療脱毛(深い毛根に対応)
- 血管病変(毛細血管拡張、静脈瘤)
- 太田母斑や深い層の色素性病変
- 特徴:
- 深い層に到達する長波長。
- 色黒の肌にも適応可能で、炎症リスクが低い。
3. 波長による効果の違い
メラニン吸収
- 短い波長(532 nm, 694 nm)はメラニンへの吸収が高く、色素治療に適していますが、深部への効果は限定的。
血管治療
- ヘモグロビン吸収が高い532 nmや1064 nmが血管病変治療に適しています。
深部作用
- 長い波長(810 nm, 1064 nm)は皮膚の深部に到達しやすく、太い毛や深い色素病変に効果的です。
4. 安全性とリスク
- 波長による効果やリスクは、患者の肌質、色素量、治療部位によって異なります。
- 長波長のレーザー(1064 nm)は肌への負担が少なく安全性が高い一方、短波長(532 nm)は副作用リスクがやや高い場合があります。
5. まとめ
レーザーの波長は、それぞれの特徴を理解して適切に選択することで、高い治療効果を発揮します。治療内容に応じた機器選びや施術者の熟練度が重要です。美容医療を検討する際は、自分の肌質や目的に合ったレーザーを選びましょう。
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