医療脱毛では、レーザーの波長によって脱毛効果や適応肌質、痛みの程度などが異なります。波長が長くなるほど肌の深部まで到達し、逆に短いほどメラニンへの吸収が強くなります。以下に、美容医療の観点から各レーザー波長の特性と効果の違いを詳しく解説します。


1. 医療脱毛で使用される代表的なレーザーの波長

(1) アレキサンドライトレーザー(755nm)

  • 波長の特性

    • 755nmの波長は、メラニンへの吸収率が高いため、毛の黒い色素に強く反応します。
    • 浅い部分にある毛根に作用しやすい。
  • 適応肌質・毛質
    肌色が白い人(I~III型)
    比較的細い毛や浅い毛根に生えている毛(ワキ・腕・脚など)

  • 美容医療での利点

    • 効果が早く現れるため、少ない回数で脱毛を実感しやすい。
    • メラニンに反応しやすく、美白効果も期待できる(シミ治療にも使用)。
  • デメリット

    • 日焼け肌や色黒肌には不向き(メラニンへの吸収が強く、火傷リスクが高いため)。
    • VIOやヒゲなどの深部にある毛根にはやや効果が弱い。

(2) ダイオードレーザー(800~950nm)

  • 波長の特性

    • 波長800~950nmは、アレキサンドライトとNd:YAGレーザーの中間的な特性を持つ。
    • メラニンへの吸収が適度で、肌の色を問わず比較的安全に使用できる。
    • 皮膚の浅い層から深い層まで、幅広くアプローチ可能。
  • 適応肌質・毛質
    色白~色黒肌(I~V型)
    濃い毛~産毛まで幅広く対応(背中・VIO・顔など)

  • 美容医療での利点

    • 痛みが比較的少なく、施術の快適性が高い
    • 産毛や細い毛にも対応可能。
    • 皮膚のダメージが少なく、肌に優しい脱毛が可能。
  • デメリット

    • 即効性はやや低く、アレキサンドライトレーザーに比べると効果の実感に時間がかかる
    • 硬毛化(照射後に毛が一時的に濃くなる現象)が起こることがある。

(3) Nd:YAGレーザー(1064nm)

  • 波長の特性

    • 1064nmの波長は、最も深部まで到達するため、深い毛根の毛に有効。
    • メラニンへの吸収率が低く、色黒肌や日焼け肌にも安全に使用可能。
    • 毛細血管にも影響を与え、赤ら顔や血管病変治療にも応用される。
  • 適応肌質・毛質
    色黒肌・日焼け肌(I~VI型)
    深い毛根の毛(VIO・男性のヒゲ・太い毛)

  • 美容医療での利点

    • 肌の奥深くまでレーザーが届くため、硬く太い毛や男性のヒゲ脱毛に適している
    • 色素沈着リスクが低く、色黒肌や日焼け肌でも使用できる
  • デメリット

    • 痛みが最も強く、冷却装置や麻酔クリームを併用することが多い。
    • 産毛や細い毛には効果が低い。
    • 施術に時間がかかることがある。

2. 各波長の比較表

波長レーザー名メラニン吸収率皮膚到達度適応肌質適応毛質施術時の痛み
755nmアレキサンドライト高い浅い色白肌細い毛~中程度の毛中程度
800~950nmダイオード中程度中程度色白~色黒肌幅広い毛質比較的少ない
1064nmNd:YAG低い深い色黒肌・日焼け肌太く深い毛(VIO・ヒゲ)強い

3. 波長の違いによる痛みの差

  • アレキサンドライトレーザー(755nm)
    → メラニン吸収率が高いため、肌の浅い部分で熱が発生しやすく、チクチクとした痛みを感じることが多い。
  • ダイオードレーザー(800~950nm)
    → 痛みが比較的少なく、温かみを感じる程度のことが多い。
  • Nd:YAGレーザー(1064nm)
    → 皮膚の深部までエネルギーが到達するため、ズーンと響くような強い痛みを感じやすい。

4. 美容医療における波長選択のポイント

  • 早く効果を実感したい人 → アレキサンドライトレーザー(755nm)
  • 産毛や細い毛も脱毛したい人 → ダイオードレーザー(800~950nm)
  • 色黒肌・日焼け肌の人 → Nd:YAGレーザー(1064nm)
  • VIOやヒゲ脱毛をしたい人 → Nd:YAGレーザー(1064nm)

5. まとめ

医療脱毛において、レーザーの波長は施術効果や痛み、適応肌質に大きな影響を与えます。 755nmのアレキサンドライトレーザーは、メラニン吸収率が高く、美白効果も期待できますが、色黒肌には不向き。800~950nmのダイオードレーザーは、痛みが少なく、産毛にも対応可能。1064nmのNd:YAGレーザーは、深部に届き、色黒肌でも安全に使用できるが、痛みが強いのが難点です。

美容医療では、患者の肌質や毛質に応じた波長の選択が重要であり、適切なレーザーを使用することで、安全かつ高い効果を得ることができます。

 

 

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