1. パルス幅とは?

パルス幅(パルスデュレーション)とは、レーザーが1回照射される際のエネルギー照射時間の長さを指します。
レーザー光が毛や皮膚にどれくらいの時間作用するかを決める重要な要素であり、医療脱毛の効果や肌への影響に大きく関与
します。

パルス幅の単位:通常 ミリ秒(ms) または ナノ秒(ns) で表される。
一般的な医療脱毛レーザーのパルス幅は 数ミリ秒~数十ミリ秒 程度。

  1. パルス幅の種類と特徴

(1) 短いパルス幅(ショートパルス)

  • 数ミリ秒(例:3ms~10ms)
  • 一瞬で高エネルギーを毛包に集中照射
  • 太い毛・濃い毛(ワキ・VIO・ヒゲ)に適している
  • 毛包のメラニンが一気に吸収しやすい
  • 痛みを感じやすく、肌の負担が大きくなることがある
  • 火傷のリスクが上がるため、冷却機能が重要

代表的なレーザー

  • アレキサンドライトレーザー(755nm)
  • YAGレーザー(1064nm)

(2) 長いパルス幅(ロングパルス)

  • 10ms~100ms以上
  • 低出力でじっくり熱を伝えるため、痛みが軽減
  • 細い毛・色素の薄い毛(腕・顔・産毛)に適している
  • 肌のダメージが少ないため、敏感肌や色黒肌でも施術しやすい
  • ただし、即効性はやや低く、回数が必要になる場合もある

代表的なレーザー

  • ダイオードレーザー(810nm・940nm)
  • 蓄熱式レーザー(SHR方式)
  1. パルス幅の違いが肌に与える影響

パルス幅

特徴

適応部位

痛み

肌への負担

短いパルス幅

一瞬で高エネルギーを照射

ワキ・VIO・ヒゲ(太い毛)

強い

高い(火傷リスクあり)

長いパルス幅

じっくり熱を伝える

顔・腕・背中(細い毛)

弱い

低い(肌負担少なめ)

  • 痛みの強さ:短いパルス幅(高エネルギー照射) → 痛みが強い
  • 火傷リスク:短いパルス幅 → 肌表面が高温になりやすく、火傷リスクが高まる
  • 色黒肌・敏感肌の適応:長いパルス幅 → 安全に施術可能
  1. 医療脱毛機器におけるパルス幅の違い

脱毛機器

レーザーの種類

パルス幅の特徴

適応肌・毛

ジェントルレーズプロ

アレキサンドライトレーザー(755nm)

短いパルス幅(3~10ms)

太い毛、色白肌向き

ライトシェアデュエット

ダイオードレーザー(810nm)

中~長めのパルス幅(10~100ms)

痛みに弱い人、色黒肌向き

ソプラノチタニウム

ダイオードレーザー(755nm・810nm・1064nm)

長いパルス幅(SHR方式)

産毛や細い毛、痛みが苦手な人向き

  1. 美容医療におけるパルス幅の調整の重要性

医療脱毛では、患者の毛質・肌質・部位に応じてパルス幅を調整することが、安全かつ効果的な脱毛の鍵となります。

(1) 色黒肌・日焼け肌

  • 短いパルス幅だとメラニンに強く反応しすぎて火傷リスクが高まる
    長いパルス幅のレーザー(ダイオード・YAG)を使用

(2) VIO・ワキ・ヒゲ

  • 太い毛に対して短いパルス幅のレーザーのほうが高い効果を発揮
    短いパルス幅のレーザー(アレキサンドライト)を使用

(3) 産毛・細い毛

  • 短いパルス幅ではエネルギー吸収が弱く、効果が低くなる
    長いパルス幅のレーザー(ダイオード・蓄熱式)を使用
  1. まとめ

 パルス幅と肌への影響

  1. 短いパルス幅(ショートパルス)
    • 高エネルギーを瞬時に毛包に照射
    • 太い毛に効果的(VIO・ヒゲ・ワキ向け)
    • 痛みが強く、火傷リスクがある
    • 色黒肌には向かない
  2. 長いパルス幅(ロングパルス)
    • じっくり熱を伝えて毛包を破壊
    • 産毛・細い毛に効果的(顔・腕・背中向け)
    • 痛みが少なく、敏感肌や色黒肌でも施術しやすい
    • 効果を得るのに回数が必要になることがある

美容医療では、毛質や肌質に合わせて最適なパルス幅を選択することが、安全で効果的な医療脱毛のポイントとなります。

 

 

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