色素性母斑(しきそせいぼはん、英: Pigmented Nevus)は、皮膚に発生する良性の色素性病変で、一般に「ほくろ」として知られています。色素を含むメラノサイトが集まって形成されるため、色が濃く見えるのが特徴です。以下に、色素性母斑の詳細について説明します。

色素性母斑の特徴

  1. 見た目:

    • 小さな斑点から盛り上がったしこりまで、さまざまな形状をとります。
    • 色は茶色、黒、赤茶色、青黒いものなど多様です。
    • 大きさは数ミリメートルから数センチメートルまでさまざまです。
  2. 触感:

    • 平らなものもあれば、盛り上がっているものもあります。
    • 通常は柔らかく、触ると滑らかな感触があります。
  3. 位置:

    • 体のどの部位にも発生しますが、顔、腕、胸、背中に多く見られます。
  4. 成長:

    • 生まれつき存在する場合もあれば、年齢とともに新たに発生することもあります。
    • 加齢とともに大きくなったり、色が濃くなったりすることがあります。

色素性母斑の種類

  1. 先天性色素性母斑:

    • 生まれつき存在するもので、大きさや形状が多様です。特に大きなものは「巨大色素性母斑」と呼ばれます。
  2. 後天性色素性母斑:

    • 生後に発生するもので、幼児期から成人期にかけて徐々に現れます。

色素性母斑の原因

色素性母斑の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています。

  1. 遺伝的要因:

    • 家族歴がある場合、色素性母斑が発生しやすいことがあります。
  2. 紫外線:

    • 紫外線の影響でメラノサイトが刺激され、母斑が発生または変化することがあります。

診断

  1. 視診と触診:

    • 視診と触診で診断します。母斑の形状、色、境界などを観察します。
  2. ダーモスコピー:

    • ダーモスコピー(拡大鏡)を使用して、母斑の内部構造を観察し、悪性黒色腫などの他の病変と区別します。
  3. 生検:

    • まれに、生検を行い、組織の一部を取り顕微鏡で調べることがあります。

治療

色素性母斑は通常、無害で治療の必要はありませんが、見た目が気になる場合や悪性の疑いがある場合、以下の方法で除去が可能です。

  1. 外科的切除:

    • 局所麻酔を使用して、色素性母斑を外科的に切除します。この方法は再発のリスクが最も低いです。
  2. レーザー治療:

    • レーザーを使用して、色素性母斑を除去します。ただし、完全に除去できない場合があり、再発の可能性もあります。
  3. 電気焼灼(エレクトロカウタリー):

    • 高周波電流を用いて、色素性母斑を焼き切る方法です。

日常生活での注意点

  1. 適切な紫外線対策:

    • 紫外線は母斑の変化や悪化を引き起こすことがあるため、日焼け止めを使用し、適切な衣服で肌を保護することが重要です。
  2. 定期的な皮膚のチェック:

    • 母斑の形状、色、サイズに変化がないか定期的に観察し、変化があれば医師に相談することが重要です。
  3. 健康的な生活習慣:

    • 健康的な食事や適度な運動を心がけることが、皮膚の健康維持に役立ちます。

色素性母斑は一般的には無害で、癌化することは少ないですが、特に急激な変化や異常な形状を呈する場合は、悪性黒色腫などの可能性も考慮して、速やかに医師に相談することが推奨されます。

 

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