毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は、皮膚の毛穴が詰まることによって小さなぶつぶつができる皮膚疾患です。見た目が「鶏皮」や「さめ肌」と表現されることが多く、主に上腕や太もも、顔などに発生します。遺伝性の要因が強い病気であり、特に思春期や若年層でよく見られますが、成人しても症状が続くこともあります。
毛孔性苔癬の症状
毛孔性苔癬の主な症状は以下の通りです:
小さなぶつぶつ(丘疹) 毛穴周りに赤や茶色、肌色の小さなぶつぶつが発生します。これらの丘疹は主に二の腕や太もも、お尻、顔に現れます。
ざらざらとした感触 患部は表面がざらざらとしており、触ると「鶏皮」のような感触があるため、「鶏肌(ちきんすきん)」とも呼ばれます。
乾燥や軽いかゆみ 乾燥肌を伴うことが多く、かゆみがある場合もありますが、強い痛みやかゆみを伴うことは稀です。
悪化要因 寒い季節や乾燥が激しい環境では症状が悪化しやすくなります。夏場には改善することもありますが、完全に消えることはあまりありません。
毛孔性苔癬の原因
毛孔性苔癬の原因は、主に以下の要因によるとされています。
毛穴の詰まり 毛孔性苔癬は、毛穴の中に**角質(ケラチン)**が過剰に蓄積して詰まることで発生します。角質が毛穴を塞ぎ、毛が正常に外に出られず、毛包内に閉じ込められた結果、毛孔が盛り上がり、ぶつぶつした丘疹を形成します。
遺伝的要因 毛孔性苔癬は遺伝性が強く、家族に同じ症状を持つ人がいる場合、発症リスクが高まります。特に常染色体優性遺伝のパターンを示すことが多いため、親から子供へと遺伝しやすい特徴があります。
乾燥肌 乾燥肌は毛孔性苔癬を悪化させる要因の一つです。皮膚が乾燥すると角質が硬くなり、毛穴が詰まりやすくなります。特に冬場や乾燥した気候で症状が悪化することが一般的です。
アトピー性皮膚炎との関連 毛孔性苔癬は、アトピー性皮膚炎やアレルギー体質の人に多く見られることもあります。これらの疾患も、角質代謝や皮膚のバリア機能に影響を与えるため、毛孔性苔癬と関わっている可能性があります。
毛孔性苔癬の治療
毛孔性苔癬は完治が難しい疾患ですが、症状を軽減し、見た目を改善するための治療法がいくつかあります。
角質を柔らかくする治療 角質を柔らかくして、毛穴の詰まりを減らす治療法が一般的です。
- 尿素配合クリームやサリチル酸、グリコール酸を含む外用薬は、角質を除去して皮膚を滑らかにする効果があります。
- **AHA(アルファヒドロキシ酸)やBHA(ベータヒドロキシ酸)**を含むスキンケア製品も角質ケアに有効です。
保湿ケア 乾燥を防ぐための保湿ケアは重要です。保湿クリームやローションを定期的に使用し、肌を柔らかく保つことで、角質の蓄積を防ぎます。特にセラミドやヒアルロン酸を含んだ保湿剤が推奨されます。
ビタミンA誘導体(レチノイド) ビタミンA誘導体を含む外用薬は、皮膚の角質代謝を促進し、毛孔の詰まりを改善する効果があります。レチノイドは肌のターンオーバーを促進し、角質を正常な状態に戻す助けになります。
ピーリングやレーザー治療 医療機関での化学的ピーリングやレーザー治療も毛孔性苔癬の改善に有効です。ピーリングは、表皮の古い角質を除去し、新しい皮膚の再生を促す方法です。レーザー治療は、皮膚の再生を促進し、ぶつぶつを減少させる効果があります。
低刺激性のスキンケア製品を使用 刺激の強い製品やスクラブを使うと、皮膚が炎症を起こし、症状が悪化することがあります。低刺激性で保湿効果の高い製品を使用することが推奨されます。
毛孔性苔癬の予防と生活習慣
規則正しいスキンケア 日々のスキンケアで角質が溜まらないようにすることが重要です。特に保湿を徹底し、乾燥を防ぐことが効果的です。
栄養バランスの取れた食生活 皮膚の健康を保つために、ビタミンA、ビタミンE、オメガ3脂肪酸を多く含む食事を心掛けると良いでしょう。これらの栄養素は、皮膚のターンオーバーを正常に保つ助けになります。
適度な運動とストレス管理 適度な運動は、血行を良くし、肌の代謝を促進します。また、ストレスは皮膚の状態に影響を与えるため、リラックスできる時間を作ることも大切です。
まとめ
毛孔性苔癬は、毛穴の詰まりによって皮膚にぶつぶつができる状態で、遺伝的な要因が大きいとされています。治療には角質ケアや保湿が重要で、特に定期的なスキンケアや適切な外用薬の使用が推奨されます。完治は難しいものの、日常のケアや治療で症状を軽減し、肌の見た目を改善することが可能です。
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