メルケル細胞癌(Merkel Cell Carcinoma, MCC)は、非常に稀かつ悪性度の高い皮膚がんです。神経内分泌系に属するメルケル細胞(皮膚に存在し、触覚の感知に関わる)から発生するため、予後が不良な場合が多く、早期発見と適切な治療が重要です。
メルケル細胞癌の特徴と症状
発生しやすい部位
- 顔、頭部、首、手足など、紫外線に曝されやすい部分に多く見られます。
- 免疫力の低下や高齢者に多い疾患です。
症状と見た目
- 無痛性の腫瘤として現れ、初期は赤みや青紫色を帯びます。
- 腫瘍は急速に成長し、リンパ節や他の臓器へ転移する可能性が高いです。
原因とリスク因子
紫外線の影響
過度の紫外線暴露が発症リスクを高めます。ポリオーマウイルス(Merkel Cell Polyomavirus, MCPyV)
メルケル細胞癌の多くで、このウイルスが検出されます。免疫力の低下
臓器移植後の免疫抑制やHIV感染者などが発症リスク群です。高齢者と白色人種
50歳以上、特に白人に多い傾向があります。
診断と検査
ダーモスコピーと組織生検
皮膚の病変を拡大観察し、組織検査で癌細胞の有無を確認します。画像検査
CTやPET-CTを用いて、リンパ節や他の臓器への転移を確認します。
治療法
外科的切除
腫瘍を十分なマージン(安全域)を確保して除去することが第一選択です。放射線療法
切除後の再発予防や手術が困難な場合に用いられます。免疫療法
進行例では、チェックポイント阻害薬(例:アベルマブ、ペムブロリズマブ)などが用いられます。化学療法
転移例に使用されることもありますが、効果は限定的です。
予後と再発リスク
- メルケル細胞癌は非常に転移しやすく、再発リスクが高いです。
- 5年生存率は、腫瘍のステージによって異なりますが、早期発見が予後に大きな影響を与えます。
予防策
紫外線対策
日焼け止めを使用し、紫外線の強い時間帯の外出を避ける。早期発見のための定期チェック
皮膚に変化を感じた場合は、早めに皮膚科を受診することが重要です。
メルケル細胞癌は進行が非常に速いため、早期の発見と治療が鍵になります。紫外線対策と定期的な皮膚チェックを行い、気になる症状があれば専門医の診察を受けましょう。
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