肥厚性瘢痕は、皮膚の損傷や炎症の後にコラーゲンが過剰に生成されて皮膚が盛り上がる瘢痕(傷あと)です。ただし、ケロイドと異なり、傷の範囲を超えて広がることはありません。一般的に赤みや硬さを伴い、皮膚の張力が高い場所で発生しやすいです。


主な原因

  1. 傷や外科手術のあと
    手術跡や外傷が回復する過程で、コラーゲンが過剰に分泌されることで発症します。

  2. やけどや皮膚の感染
    やけどや傷の感染がひどい場合、皮膚が正常に再生されずに肥厚性瘢痕となりやすくなります。

  3. 皮膚の張力や摩擦
    関節部位や胸、肩のように皮膚がよく伸びたり張力がかかる場所で、肥厚性瘢痕ができやすいです。

  4. 炎症の持続
    にきびなど皮膚炎のあとにも発症することがあります。特に、傷が慢性的な炎症を起こしている場合にリスクが高くなります。


特徴と症状

  • 盛り上がりと赤み
    瘢痕部分が盛り上がり、皮膚が赤くなります。
  • 硬さやかゆみ
    回復の過程でかゆみや硬さを感じることがあります。
  • 時間経過で自然に改善
    多くの場合、時間の経過とともに色が薄まり、柔らかくなることがあります(数か月から数年)。

ケロイドとの違い

肥厚性瘢痕ケロイド
傷の範囲内にとどまる傷を超えて広がることがある
時間とともに改善することが多い改善しにくく、長期的に残ることが多い
関節などの張力がかかる部位に発生体質的要因が大きい

治療法

  1. ステロイド注射
    瘢痕部に直接ステロイドを注射することで、炎症を抑え、組織の増殖を防ぎます。

  2. シリコンシートの使用
    傷あとにシリコンシートを貼ると、皮膚の圧をかけ、盛り上がりを抑制します。

  3. レーザー治療
    血管を収縮させるレーザーで赤みを減らし、組織の肥厚を改善します。

  4. 外科的切除
    極端に盛り上がった肥厚性瘢痕は手術で切除することもありますが、再発を防ぐためにステロイド治療を併用します。

  5. 圧迫療法
    圧迫服を使用し、皮膚に持続的な圧力をかけることで瘢痕を予防します。


予防策

  • 傷ができた直後から、適切なケアを行うことが重要です。
  • 感染や炎症を防ぎ、治癒過程でのトラブルを避けるよう心がけます。
  • 傷が治るまで、摩擦や張力のかかる動作を避けることも効果的です。

肥厚性瘢痕は、特に手術後の患者ややけどのあとで問題になりやすいですが、適切なケアを行うことで悪化を防ぐことができます。治療には専門的な判断が必要であるため、専門医の診察を受けることが推奨されます。

 

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