トラネキサム酸は、もともと抗プラスミン作用を持つ薬剤として止血や炎症抑制に用いられてきましたが、美容分野では特に美白や肝斑(かんぱん)の改善に対する効果が注目されています。
トラネキサム酸の美容効果
1. 肝斑の改善
- メラニン生成抑制:
トラネキサム酸はメラニンを産生するメラノサイトを刺激する物質(プラスミン)を抑えることで、肝斑や色素沈着の改善に役立ちます。 - 炎症後の色素沈着にも効果的で、紫外線や摩擦、炎症による色素沈着を防ぐのに適しています。
2. 美白効果
- トラネキサム酸は紫外線や刺激によるメラニン産生を抑制するため、肌全体のトーンアップが期待されます。
3. 抗炎症作用
- 肌の炎症を抑え、赤みや刺激を軽減します。特に敏感肌の人にとって、肌の調子を整える補助となります。
トラネキサム酸の摂取量(内服)
美容目的の内服摂取量
- 1日750mg~1500mg(1回250~500mgを1日3回に分けて服用)
- 通常、医師の指導のもと処方されるケースが一般的です。
適切な使用期間
- 効果が現れるまでに3~6カ月程度の継続が必要です。ただし、長期間の使用は肝機能や血液検査でのチェックが推奨されます。
トラネキサム酸の外用薬
外用薬としても使用されており、主にシミや肝斑の改善を目的としたクリームや美容液に配合されています。
外用のメリット
- 局所的な効果:気になる部分に集中して作用。特に肝斑やシミの部分ケアに有効。
- 副作用が少ない:内服に比べ、全身的な影響が少ない。
配合濃度
- 化粧品では一般的に 2~5% 配合されることが多い。
トラネキサム酸の副作用
内服による副作用
- 血栓リスク:
血栓形成の可能性があるため、血栓症の既往がある人には推奨されません。 - 消化器症状:
吐き気や腹痛などの軽度の症状が起こる場合があります。
外用による副作用
- 刺激感やかぶれが起こることがあります。敏感肌の人は注意が必要です。
トラネキサム酸を効果的に利用するポイント
紫外線対策を徹底
トラネキサム酸はメラニン抑制に役立ちますが、紫外線を浴び続けると効果が半減します。SPF50+の日焼け止めを活用してください。医師の指導の下で使用する
適切な量と期間での使用が重要です。特に内服薬は自己判断での使用を避けましょう。ビタミンCと併用
抗酸化作用のあるビタミンCと併用すると、さらに美白効果が高まります。
トラネキサム酸を含む食品
食品には直接含まれていないため、医薬品やサプリメントで摂取することが一般的です。
まとめ
トラネキサム酸は、肝斑やシミの改善、美白効果、抗炎症作用を持つ優れた美容成分です。内服では1日750~1500mgが一般的な摂取量ですが、医師の指導の下で使用することが推奨されます。外用薬では部分的なケアが可能で、刺激が少ないため敏感肌にも適しています。適切な使用方法と併せて紫外線対策を徹底することで、最大限の効果が期待できます。
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