医療脱毛の仕組みは、高出力の医療用レーザーを用いて毛根を破壊し、毛の再生を防ぐことにあります。この方法は毛の色素(メラニン)をターゲットにしており、毛根やその周囲の毛包、毛を生成する細胞にダメージを与えることで永久脱毛を実現します。以下に詳しく説明します。


1. 基本的な仕組み

レーザーの働き

  • 選択的光熱分解(Selective Photothermolysis)
    レーザーは特定の波長で照射され、毛根のメラニン色素がレーザー光を吸収します。この吸収により光が熱エネルギーに変換され、毛根やその周囲の毛包を高温(約60~70℃以上)に加熱します。
  • 毛根・毛包の破壊
    高温により、毛根や毛包内の毛母細胞、幹細胞(毛の再生に必要な細胞)が破壊され、毛の再生能力が失われます。

2. 毛周期と医療脱毛の関係

毛は以下の3つの成長サイクル(毛周期)を繰り返します:

  • 成長期: 毛根が活発に活動して毛が伸びる時期。メラニン量が多く、レーザーのターゲットとして最適。
  • 退行期: 毛根の活動が停止し、毛が抜ける準備をする時期。レーザーの効果は限定的。
  • 休止期: 毛が抜けた後、次の成長期まで待機している時期。レーザーの効果はほとんどありません。

医療脱毛では、成長期の毛のみが効果的に破壊されます。そのため、全ての毛が成長期にあるわけではないため、複数回の施術が必要になります。


3. 医療レーザーの種類

医療脱毛に用いられるレーザーにはいくつかの種類があり、それぞれ波長や特性が異なります。

レーザーの種類波長(nm)特徴
アレキサンドライトレーザー755メラニン吸収率が高く、肌が白く毛が濃い人に最適。浅い層の毛に効果的。
ダイオードレーザー800~810幅広い肌質や毛質に対応可能。中間層の毛に効果的で、日焼け肌や色黒肌にも適応できる機種がある。
ヤグレーザー1064波長が長く、深い毛根に到達可能。色黒肌や男性の剛毛にも対応。

4. 痛みの発生メカニズム

  • 毛根や毛包が高温になる際、周囲の神経が刺激されるため、痛みを感じます。
  • 痛みの程度は毛の密度、太さ、肌の感受性に依存します。
  • 冷却機能(冷却ガスや冷却ジェル)を併用して、痛みを軽減する施術が一般的です。

5. 安全性と医療機関での施術の重要性

医療脱毛では高出力のレーザーを使用するため、適切な知識を持つ医師や看護師が施術を行うことが重要です。適切でない設定や施術は、以下のリスクを伴う可能性があります:

  • 火傷(熱傷): 過度の加熱による肌トラブル。
  • 色素沈着: メラニンの反応により、肌にシミが残ることがある。
  • 毛嚢炎: 照射後の毛穴に炎症が生じることがある。

医療機関では、これらのリスクを最小限に抑え、トラブル時には迅速な対応が可能です。


6. 医療脱毛の効果が得られる条件

  • 毛の太さと濃さ: 太く濃い毛ほどメラニンが多く、効果的に破壊される。
  • 肌質: 色白の肌はメラニンが少ないため、レーザーが毛根に集中しやすい。
  • 適切な設定: 肌質・毛質に合ったレーザーの種類、波長、パルス幅を設定することが重要。

7. 施術の流れ

  1. カウンセリング: 肌質、毛質、既往歴を確認。
  2. シェービング: 照射効果を最大化するため、施術前に毛を剃る。
  3. レーザー照射: 部位ごとに適切な出力でレーザーを照射。
  4. 冷却・保湿ケア: 肌の鎮静を行い、アフターケアを実施。

医療脱毛は科学的根拠に基づき、効果的かつ安全に毛根を破壊する方法です。ただし、肌の状態や毛質によって個々に合った方法を選ぶことが重要です。

 

 

眼瞼下垂、医療脱毛やシミ取り治療をご検討の方は、豊中・千里中央にある「形成外科・美容皮膚科 とううちクリニック」へ是非お越しください

豊中・箕面・吹田の地域に密着したクリニック