美容医療における痛みの感じ方には個人差があり、その理由はいくつかの要因によって決まります。以下の要素が痛みの個人差に影響を与える主な要因です。
1. 生理学的要因
① 神経の分布と密度
皮膚や体の部位ごとに神経の分布が異なり、痛覚神経が多い部位ほど痛みを感じやすくなります。
- 痛みを感じやすい部位:唇、鼻、額、脇、VIO(陰部周辺)
- 痛みを感じにくい部位:太もも、頬、二の腕
例えば、レーザー脱毛ではVIOや顔は痛みを感じやすく、太ももや背中は比較的痛みが少ない傾向にあります。
② 皮膚の厚さと脂肪の量
皮膚が薄い部分や脂肪が少ない部分は、神経に直接刺激が伝わりやすいため痛みを強く感じます。
- 皮膚が薄い場所(痛みが強い):まぶた、額、手の甲
- 脂肪が多い場所(痛みが弱い):お腹、太もも、ヒップ
例えば、ヒアルロン酸注射では皮膚が薄い涙袋や唇に打つときのほうが、頬や額に打つときよりも痛みを感じやすくなります。
③ 神経の感受性
同じ治療を受けても、痛覚の感受性(痛みに対する閾値)は個人差があります。
特に、慢性的な痛みを持っている人や普段から痛みに敏感な人は、痛みをより強く感じる傾向があります。
2. 心理的要因
① 不安や緊張
- 美容医療の施術に対する不安や恐怖が強いと、痛みの感じ方が増幅されます。
- 逆にリラックスしていると、痛みを感じにくくなります。
例:ボトックス注射を受ける際に、痛みを過度に意識していると実際の刺激よりも強く痛みを感じることがあります。
② 過去の経験
- 以前の美容施術で強い痛みを感じた経験があると、次回の施術時に痛みを感じやすくなる(心理的な影響)
- 逆に、過去に痛みが少なかった経験があると、次回も痛みを感じにくくなる
例:レーザー治療で「以前とても痛かった」と思っていると、同じレーザーでも痛みをより敏感に感じる可能性があります。
③ 期待と認識
- 「この施術は痛いはずだ」と思い込むと、痛みを実際よりも強く感じる
- 逆に「これくらいの痛みなら耐えられる」と思っていると、痛みの感じ方が軽減される
3. 生理的・ホルモン要因
① 女性ホルモンの影響(特に生理周期)
- 生理前や生理中はエストロゲンとプロゲステロンの変動により痛みを感じやすくなる
- 排卵後〜生理前にかけては、プロゲステロンの影響で痛みの耐性が低下する
- 生理直後〜排卵前(卵胞期)は、痛みの耐性が比較的高い
例:レーザー脱毛やピーリングなどの美容施術は、生理前や生理中は避けた方が痛みが少なく感じる
② 睡眠不足や疲労
- 寝不足や疲労が溜まっていると、痛みに敏感になる(痛覚過敏)
- 逆に、十分な睡眠を取ることで痛みの耐性が上がる
4. 外的要因(施術方法・医師の技術など)
① 施術機器や方法の違い
同じ目的の治療でも、機器や施術方法によって痛みが変わることがあります。
レーザー治療の例
- 熱破壊式レーザー脱毛 → 強い痛み(毛根に直接ダメージ)
- 蓄熱式レーザー脱毛 → 弱い痛み(じんわり温める)
美容注射の例
- カニューレ針(先が丸い)→ 痛みが少ない
- 通常の針(先が尖っている)→ 痛みが強い
② 医師・施術者の技術
- 針の刺し方が上手な医師ほど、痛みを最小限に抑えられる
- 同じ施術でも、施術者によって痛みが異なる
例:フィラー(ヒアルロン酸注入)の際、技術のある医師が施術すると内出血や痛みが少なくなる。
痛みを軽減する方法
1. 麻酔の使用
- 表面麻酔(クリーム):レーザー治療、注射前に使用
- 局所麻酔:フィラー、ボトックス、糸リフトなど
- 笑気麻酔:不安を和らげ、リラックス効果がある
2. 施術前の準備
- 十分な睡眠をとる
- 生理周期を考慮して施術日を選ぶ(生理直後がベスト)
- カフェインを控える(交感神経が刺激されると痛みを感じやすくなる)
3. 施術中の工夫
- 深呼吸やリラックスを意識する
- 施術中に好きな音楽を聴く
- 施術者に「痛みに弱い」と伝えておく
まとめ
美容医療における痛みの個人差は、生理学的・心理的・ホルモン・施術の違いなど多くの要因によって決まります。痛みを最小限に抑えるためには、適切な施術方法の選択、麻酔の使用、リラックスする工夫などが重要です。
特に、生理周期や睡眠不足、ストレスが痛みに大きな影響を与えるため、施術前の準備が快適な美容医療体験につながります。
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