シミの治療法は、シミの種類や肌質、ライフスタイル、ダウンタイムの許容範囲などを考慮して選択する必要があります。美容医療の視点から、各種シミに適した治療法の選択基準を詳しく解説します。


1. シミの種類と特徴、適した治療法

① 老人性色素斑(一般的な日光黒子)

特徴:

  • 紫外線による影響でできる
  • 境界がはっきりした茶色~黒色のシミ
  • 顔・手の甲・腕など、日焼けしやすい部位にできる

適した治療法:

  • Qスイッチレーザー(ピコレーザー含む):高エネルギーの光を照射し、シミを破壊
  • IPL(フォトフェイシャル):広範囲の薄いシミに適応
  • トレチノイン+ハイドロキノン:レーザー後の色素沈着予防や、軽度のシミの改善
  • 炭酸ガスレーザー(CO2レーザー):盛り上がりのあるシミに有効

選択基準:

  • 濃いシミ:ピコレーザーやQスイッチレーザー
  • 広範囲の薄いシミ:IPL
  • ダウンタイムを避けたい:IPLや美白外用薬

② 肝斑(かんぱん)

特徴:

  • 30〜50代の女性に多い
  • ホルモンバランスの影響が大きい
  • 頬骨あたりに左右対称に広がる淡いシミ
  • 刺激に敏感で、レーザーによる悪化のリスクあり

適した治療法:

  • トラネキサム酸内服(第一選択)
  • IPL(弱い設定):強い出力だと悪化の可能性
  • レーザートーニング(ピコトーニング):低出力でメラノサイトを刺激せずに治療
  • ハイドロキノン・ビタミンC・トレチノイン外用:刺激が少ないものを選択

選択基準:

  • 肝斑がある場合、レーザー単独は避ける
  • 内服+外用治療をベースにし、慎重に光治療を組み合わせる

③ そばかす(雀卵斑)

特徴:

  • 遺伝的要素が強い
  • 幼少期からできることが多い
  • 小さな茶色の点が鼻や頬に多発

適した治療法:

  • Qスイッチレーザー・ピコレーザー:濃い部分をピンポイントで除去
  • IPL(フォトフェイシャル):顔全体のそばかすに対応
  • ハイドロキノン・トレチノイン:再発防止のためのスキンケア

選択基準:

  • 広範囲ならIPL、濃いものならレーザー
  • 再発しやすいため、UVケアとスキンケアを徹底

④ 炎症後色素沈着

特徴:

  • ニキビ跡や摩擦、虫刺され後にできる茶色いシミ
  • 肌のターンオーバーとともに自然に薄くなることもある

適した治療法:

  • ハイドロキノン・トレチノイン:メラニンの排出促進
  • ビタミンC・ナイアシンアミド:抗酸化作用による色素沈着改善
  • ピーリング(グリコール酸・乳酸など):ターンオーバー促進
  • レーザー(ピコトーニング):改善が遅い場合に追加

選択基準:

  • 刺激の少ない美白治療を中心にする
  • 炎症が残っている場合は、ステロイド外用薬などで鎮静させる

⑤ ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

特徴:

  • 目の下や頬に青みがかったシミ
  • 深い層(真皮)にメラニンが沈着
  • 肝斑との鑑別が必要

適した治療法:

  • Qスイッチレーザー・ピコレーザー(低出力で複数回)
  • トラネキサム酸内服+美白剤外用(補助的)

選択基準:

  • IPLやトーニングでは効果が薄いため、Qスイッチレーザーが第一選択
  • 1回で消えないため、複数回の治療が必要

2. 患者のライフスタイルと治療選択のポイント

  • ダウンタイムが取れない場合
     → IPLや外用薬をメインに選択

  • 即効性を求める場合
     → レーザー治療(Qスイッチ・ピコレーザー)

  • 再発しやすいシミ(そばかす、肝斑)
     → 定期的なスキンケア+光治療の維持療法

  • 敏感肌・色素沈着リスクが高い場合
     → 低刺激の治療を選択(IPL低出力、外用薬)


3. まとめ

シミ治療は、シミの種類に合わせて適切な治療法を選ぶことが重要です。
特に肝斑やADMは誤った治療で悪化する可能性があるため、慎重なアプローチが求められます。
患者の肌質・生活スタイル・ダウンタイムの許容範囲を考慮しながら、最適な治療計画を提案することが成功の鍵です。

美容クリニックにおいては、カウンセリングでシミの種類を正確に診断し、適切な治療を組み合わせることが重要です。

 

 

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