―繰り返すしこりの原因を知って、早めの対策を―
皮膚の下にしこりのようなできものができ、次第に腫れたり、炎症を起こしたりする「粉瘤(ふんりゅう)」。良性の腫瘍ではありますが、繰り返すトラブルに悩まされる方も少なくありません。
では、粉瘤ができやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか?
形成外科・美容皮膚科の視点から詳しくご紹介します。
粉瘤とは?
粉瘤(アテローム)とは、皮膚の下に袋状の構造物ができ、そこに老廃物(角質や皮脂など)がたまっていく良性の腫瘍です。
自然に小さくなることは少なく、放置すると炎症や感染を起こすことがあります。
粉瘤ができやすい人の特徴
1. 皮脂分泌が多い方(特に脂性肌)
皮脂腺が活発な人は、皮脂や角質が毛穴に詰まりやすく、粉瘤の原因となる「表皮嚢腫」ができやすくなります。
思春期以降の男性や、ホルモンバランスの乱れやすい年代の女性に多い傾向です。
2. ニキビや毛穴トラブルを繰り返している方
毛穴の閉塞や皮膚の慢性的な炎症は、粉瘤の発生に関係しています。ニキビ跡のある部分に粉瘤ができることもあります。
3. 過去に外傷や手術、ピアスの穴がある部位
外傷や皮膚の小さな傷がきっかけで、皮膚の一部が内側に入り込み粉瘤が発生することがあります。ピアスホール周辺や傷跡周辺も要注意です。
4. 体質的にできやすい人(家族歴がある)
粉瘤は、体質的にできやすい傾向があるとされます。家族に粉瘤が多い場合、ご自身にもできやすい可能性があります。
5. 背中や首、耳の後ろなどに汗をかきやすい方
蒸れやすい環境は皮脂詰まりを助長し、粉瘤ができやすくなります。特に夏場やスポーツ習慣のある方は注意が必要です。
粉瘤は放置しないで
炎症や感染を起こす前に適切に除去することで、痛みや腫れ、跡のリスクを抑えることができます。
当院では、形成外科的な視点で傷跡に配慮した粉瘤の摘出を行っています。
美容皮膚科との連携により、術後の皮膚ケアや再発防止ケアについても丁寧にご案内いたします。
繰り返すしこりにお悩みの方へ
「また同じ場所にできてしまった」「しこりが腫れてきた」
そんなときは、自己判断せず、お早めにご相談ください。
早期発見・早期治療が、トラブルの予防と美しい仕上がりにつながります。