熱などの刺激により皮膚や粘膜が損傷することをやけど(熱傷)と言います
やけど(熱傷)とは
熱などの刺激により皮膚や粘膜が損傷することをやけど(熱傷)と言います。
高温に接すると短時間で熱傷を起こしますが、その他にも電気毛布やカイロなど高温と気づかなくても、長時間同じ部位に接触し続けるとやけど(低温熱傷)を起こす危険性があります。
やけど(熱傷)の原因
やけど(熱傷)の半数近くは10歳未満の子どもで、そのうちさらに半数以上は1歳未満の乳児です。
家庭内で多い「やけど」の原因は下記のようなものがあります。
- お湯・コーヒー・カップ麺などの汁をこぼす
- 炊飯器などの蒸気に触れる
- 電気ケトルのコードに足が引っかかり、中に入っていたお湯をこぼす
大人にとって身近な製品であっても、乳幼児にとっては「やけど事故」の危険が潜んでいることがあります。
やけど(熱傷)の重症度
やけどの重症度は、「やけどの深さ」や「やけど範囲(面積)」によって判断されます。
やけどの深さによる分類は、1~3度熱傷に分かれます。
1度熱傷
皮膚の表皮というごく浅い部分までのやけどです。
やけどした部分が赤くなり痛みをともないますが、数日でほぼ傷跡も残さず治ります。
2度熱傷
皮膚の真皮層まで障害された状態です。
特徴は「水ぶくれ」ができることです。
強い痛みをともなうことが多く、完治まで2~3週間またはそれ以上かかります。
やけどが深い場合は、傷跡が残ります。
また2度熱傷は時間の経過とともに、3度熱傷に移行する場合があります。
3度熱傷
皮膚全部が障害された状態です。
3度熱傷になるとかえって痛みを感じにくくなります。
3度熱傷は治っても傷跡が残ったり、皮膚のひきつれが生じたりします。
また完治までにかなり日数がかかります。
やけどの重症度は上記に加え、やけどの範囲(面積)を算定して判断します。
重症のやけどになると入院や手術が必要になることもあり、入院・手術対応が可能な専門病院を紹介します。
乳幼児は一般に大人より皮膚が薄いため、やけどのダメージが皮膚の奥深くまで影響して重傷化する可能性があります。
やけどは専門知識をもったクリニックへの受診をお勧めします。
もしも、やけどをしたときは?
やけどは初期の対応と治療が大切です。もしも、子どもがやけどをしてしまったときは、次のような対処をしてください。
水道水やシャワーなどの流水で、やけどした部分を15分~20分間冷やしましょう。
着衣の上から熱湯を浴びた場合は無理に脱がせようとせず、衣服を着たまま冷やしましょう。
やけどが広範囲で、全身に流水を掛けるような場合には、低体温に注意しましょう。